養親と養子のあいだで折り合いがつかず、裁判官の調停によっても決着がつかない場合には、裁判に進むケースがあります。

①故意による遺棄をした場合

養親・養子は互いに扶助の義務を負っています。 まともな食べ物を与えなかったり、一切のコミュニケーションをとらずに放置していたりする場合は、意図的に遺棄をしたと見なされます。 イメージ的には、子どもが小さくて生活全般の世話をしてもらえないケースが浮かぶかもしれませんが、逆パターンも例外ではありません。 たとえば30代の養子が70代の養親の身の回りの介助をせずに放置し、扶助の義務を果たしていないと認められた場合などがこれに当てはまります。

②生死が判明しないとき(3年以上)

養親または養子が生きているのか死んでいるのかが分からない状態が長く続いている場合も、離縁の成立要件になり得ます。 単に連絡が取れない状態が続いているだけではなく、生死がハッキリ分からないまま3年を経過してしまった場合に適用されるものです。 同居していれば一目瞭然ですが、養子がある程度育ってきて別居し、その後何年も経つけれど生死が判明しないといったことを想定しての事由と言っていいかもしれません。 この要件で離縁が認められた例はないので、審判による手続きとしてはあまり現実的とは言えないというのが実際のところです。

③その他縁組関係を続けるのが困難である重大な理由があるとき

上記に挙げた2つ以外にも、養親・養子の関係を継続するのが難しいと認められる場合があります。 たとえば家庭内暴力や虐待があったときや、大きな精神疾患によって育児が不可能と見なされた場合などは、離縁成立が可能な要件として認められるようです。